北極・南極の2026年2月の海氷情報
1.北極における2026年2月の海氷状況
2月の日々の海氷域面積(注1)は、短期的な増減を繰り返しながら全体として低い水準で推移しました(図1)。その結果、月平均海氷域面積は約1359万平方キロメートルとなり、前年(2025年)より約40万平方キロメートル大きくなったものの、衛星観測開始以来3番目に小さい値になりました(図2)。海域別にみると、氷縁付近を除く海域では海氷密接度は概して高く、オホーツク海とバフィン湾・ラブラドール海を除く多くの海域で2010年代平均(平年)とほぼ同程度の海氷分布でした(図3)。一方で、バフィン湾・ラブラドール海では海氷域の南下が弱く、2月平均の海氷域面積は過去2番目に小さい値になりました。オホーツク海およびバフィン湾・ラブラドール海での海氷の少なさが、北極海全体の海氷域面積が小さい状態の一因となったと考えられます。2月の大気場をみると、ラブラドール海周辺では平年より3〜7℃高い気温になりました(図4)。また、オホーツク海では先月に続き気温が平年より2〜3℃高く、北東〜東寄りの風が卓越して海氷を沿岸へ押し付けるような風系となりました。一方、カナダ多島海からアラスカ、さらにロシアの大部分では平年より低い気温になりました。これらの大気条件が、海氷の広がりに海域ごとの差をもたらした一因になった可能性があります。
2.南極における2026年2月の海氷状況
2月の日々の海氷域面積は、中旬までは2010年代平均とほぼ同じ水準で推移し、24日に年間最小になりました(図5)。2月の月平均海氷域面積は約301万平方キロメートルとなり、前年(2025年)より約68万平方キロメートル大きく、2010年代平均(約307万平方キロメートル)の水準に戻りました(図6)。海域別にみると(図7)、大部分の海氷域は2010年代平均より縮小しましたが、ウェッデル海とソモフ海では比較的多くの海氷が残りました。南極では、今後は海氷の拡大期に入りますが、引き続き注意深く状況を監視していく必要があります。
注1:海氷域面積
通常の北極・南極海氷域面積の計算では、データ欠損による算出エラーを防止するため、複数日データの平均から算出しています。本記事では、5日平均の確定値を使用しました。2日平均の速報値は、ADS をご参照ください。
注2:NCEP-NCAR Reanalysis 1
米国環境予測センター(NCEP)と米国国立大気研究センター(NCAR)で開発・提供されている大気再解析データ(https://psl.noaa.gov/data/gridded/data.ncep.reanalysis.html、Kalnay et al. (1996))。
参考文献
Kalnay et al., The NCEP/NCAR 40-year reanalysis project, Bull. Amer. Meteor. Soc., 77, 437-470, 1996
